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オリジナル刺繍ワッペンを作るためのデザインガイド

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こんにちは、Alter Works(オルターワークス)です。今日は、私たちが提供している刺繍ワッペンについてお話ししたいと思います。

刺繍はデザイン的な面で物理的な制約がプリントに比べて多く、いざ注文しても、細かすぎて刺繍では作れない、デザイン作り直し、といったご注文が多々ございます。

そこで今回は、刺繍ワッペンについて少し掘り下げて説明や解説をしてみようと思います。

 

刺繍に向いているデザインとは?

一番大事なことなので、最初に書いておきます。最後まで読むのは面倒!という方のために以下の5点だけ覚えてください。

  1. 刺繍に向いているデザインはシンプルで線の太いデザインです。小さな刺繍ワッペンほどシンプルで線の太いものがなにより綺麗に再現できますし、刺繍の良さが引き立ち、存在感も立体感もでます。
  2. 文字サイズは小さいと潰れて読めません。最小文字サイズはフォントのデザインにもよりますが、英数字で最低3〜5mm(5mm以上推奨)、日本語の場合(特に漢字)は画数も多くなるので、8〜10mm(10mm以上推奨)くらいあった方がいいです。それでも最低限の「読める」サイズなので、文字自体がデザインであれば、極力大きい文字にすることをおすすめします。
  3. 一般的に刺繍のサテンステッチで再現できる最小線幅は0.5mmから1.5mmです。推奨1mm以上、10mm以内が好ましいです。細かい複雑なデザインは、プリントワッペンの方が向いています。(弊社ではプリントワッペンは作っていません)
  4. サイズが小さい刺繍デザインの場合は極力色数を減らす。(ごちゃごちゃしてよく分からないデザインになる可能性を減らせます)色数が多く、刺繍が重なると、細かいデザインは一段と再現が難しくなります。
  5. 小さい文字は縁取りと本来の文字部分の刺繍が干渉し合って綺麗に再現できません。そのため縁取り文字は最低でも1文字15〜20mm未満の場合は縁取りはしない方がよいです。

イメージ検索で市場に出回っている刺繍ワッペンや、お気に入りのブランドが出してる製品の刺繍ワッペンをよく観察してみるなど、いろいろな刺繍ワッペンの図案を眺めるだけでも、刺繍に向いている、向いていないデザインの違いを理解するのに役立つと思います。

小さい刺繍ワッペンほどシンプルに! これに尽きます。

 

刺繍をするのに必要なものは?

刺繍をするにはパンチングデータと呼ばれるものが必要です。これは刺繍型などとも呼ばれており、刺繍機械が布地に刺繍を施すための指示を格納したデジタルファイルです。このデータは、特定のデザインや図案が織り込まれたり刺繍されたりする方法を指定します。 以下は、刺繍のパンチングデータに関する詳細です。

パンチングとは?

パンチングは、刺繍デザインを刺繍機械が理解できる形式に変換するプロセスを指します。通常、これは特別なソフトウェアを使用して行われ、デザイナーまたはパンチャーと呼ばれる専門家によって行われます。パンチャーは、デザインを縫い付けるためのステッチ指示を作成し、デジタルファイルに変換します。

パンチングデータの構造:

パンチングデータは、次の情報を含みます。

  • ステッチタイプ:直線ステッチ、ジグザグステッチ、サテンステッチなど、どのようなステッチを使用するか。
  • ステッチパラメータ:ステッチの長さ、幅、密度など、ステッチの詳細設定。
  • 刺繍デザインの配置情報:デザインがどこに配置されるか、中心点の座標など。

なぜ「パンチングデータ」と呼ばれるか?

"パンチング" という用語は、昔の刺繍技術に由来します。かつて、手刺繍をする際に、デザインを布地に穴を開ける(パンチング)ことから、この用語が生まれました。

デジタル時代においても、刺繍機械にデザインを施すプロセスは、実際に穴を開けるのではなく、ステッチ指示を生成することに変わりましたが、この用語は依然として使用されています。

デザインとパンチングデータ(刺繍型)の違い

デザインは刺繍の元となる文字やグラフィックであり、手書きであれ、デジタルデータであれ、そのまま刺繍をするためのデータにはなりません。

このデザインを元に上記で説明したパンチングデータを作ることから始まります。 デザイン自体は手書きでもイラストレーターやフォトショップなどのグラフィックソフトで作成したもので、キャラクターであったり、文字やロゴであったりと様々なデザインが可能です。しかし、最初に説明した通り、物理的な制約があるため、プリントなどに比べて、細かなデザインの再現精度が落ちます。

その再現精度がプリントに落ちる刺繍ですが、刺繍にはプリントとは違う、糸の立体的な表現と質感が魅力的な表現が可能です。 では、具体的に、刺繍デザインに対する物理的制約とは何でしょうか?

 

刺繍デザインにおいてきをつけるべきこと

刺繍デザインにおける主要な物理的制約について詳細に説明し、良質な刺繍製品を作成するためのガイドラインを極力具体的な数値を含めて提案いたします。

線の太さと間隔

  • 糸の太さにより、線の太さに制約が生じます。一般的に刺繍で再現できる線幅は0.5mmから1.5mmです。極力1mm以上が望ましいです。
  • 線の間隔も考慮が必要で、線同士が密集しすぎるとデザインが混乱しやすくなります。
  • オブジェクトが密集している場合(点や星などが一箇所に密集している等)や、違う色が細かい部分に密集している場合(キャラクターなどの目などに複数の虹彩が入っている等)などはぐちゃぐちゃに混ざってしまい、シンプルにした方が綺麗に再現できる方が多いです。

テキストとフォント

  • テキストのフォントは簡潔で大文字が使いやすく、細かな曲線や小さい文字は再現が難しい場合があります。
  • イラストレーターなどのグラフィックソフトであれば、一般的なフォントデザインの場合、英数字で最低でも16〜18ptの文字サイズ(4〜5mm程度)がないと文字潰れや可読性が極端に落ちる可能性が高くなります。
  • フォント文字サイズのによる再現については、具体的な最小サイズを数値で表すと英数字で最低3〜5mm(5mm以上推奨)程度。ひらがなや漢字などは画数にもよりますが8〜10mm(10mm以上推奨)程度は必要になります。
  • フォントなどに縁取りが入っている場合、つまり「縁取り文字」ですが、大きな文字であれば、綺麗に再現可能ですが、小さい文字は縁取りと本来の文字部分の刺繍が干渉し合って綺麗に再現できません。そのため最低でも1文字が15〜20mm未満の場合は縁取りはしない方が賢明です。また縁取りする際も縁取りは太めにすることをおすすめします。

色数とグラデーション

  • 刺繍はカラフルなデザインも可能ですが、色数を制限することで品質を保ちやすくなり、2〜4色程度が一般的です。特にサイズが小さい刺繍デザインの場合は極力色数を抑えた方がよいでしょう。
  • 小さいサイズで色数を多めに使いたい場合は細かいデザインにせずシンプルなデザインの中で色分けした多色のデザインにするほうが綺麗に仕上がります。
  • シェードやグラデーションも刺繍で表現できますが、滑らかなグラデーションは難しく、単色の塗り分けをした方が綺麗に刺繍できます。ある程度の大きさがあればシェードやグラデーションも可能ですが、段階的に糸を変えているだけなので、グラデーションとは呼べず、狙った通りのデザインにならない可能性が高いので弊社ではグラデーション表現は不可とさせていただいております。

写真のような複雑なデザインの制約

  • 複雑なデザイン、特に写真のようなディテールが多いものは刺繍向きではないことが多いです。単純でシンプルなデザインが綺麗に仕上がりやすいです。
  • 写真的な表現を刺繍で再現したい場合、デザインは白地に黒の単色で二階調化させたものがよいでしょう。

サンプルの提供

弊社ではご希望のお客様には刺繍ワッペンのサンプルをお送りしております。実物を見ることで、細かなデザインに対する制約も、より視覚的、直感的な理解の助けになると思います。

 

刺繍サンプル例

以下に実際のグラフィックデザインとそれを刺繍で再現した場合のサンプル例を挙げていきます。

(こちらは写真の準備が出来次第、サンプル例をアップしていきます!)

 

まとめ

刺繍はプリントより再現度は落ちますが、プリントとは違う立体感、光の当たり具合による「映え」や、表面的なプリントよりも物質的な質感と存在感も感じられます。 できあがった刺繍ワッペンをTシャツやパーカ、トレーナー、キャップなど、様々なアイテムにアイロンでペタッと貼り付ければ(もしくは縫い付ければ)、オリジナルアイテムの完成です!

完成品が思ったのとなんか違う! をなくすため、この「刺繍デザインのガイドライン」が参考になれば幸いです。

以下のページからお見積もり、ご注文が可能です。

刺繍ワッペン注文フォーム   また、刺繍ワッペンの他にも洗濯ネーム(1枚12円、100枚〜)や、オリジナル織りネーム。それに弊社の人気サービス、タグの完全除去をした付け替えサービスもございます。 スタッフ一同お待ちしております! オルターワークス(Alter Works)一同

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