【連載01】Tシャツから始めるアパレルブランド始め方|見積もり方法と無地ボディの選び方

はじめに、新規アパレルブランドを立ち上げるには?

近年、「アパレルブランドを立ち上げたい」というご相談が増えています。中でも、「まずはTシャツから始めたいが、どう進めればよいか分からない」というお声を多くいただいています。

本記事では、こうした新規ブランド立ち上げ時によくある疑問やつまずき、そしてオルターワークスがどのようにお手伝いできるかをわかりやすく解説します。

 

よくあるご相談内容

最も多いのは、「何から始めたらいいのか分からない」「どのように見積りを頼めば良いか分からない」というお声です。
お客様の中には、営業やデザイン、ブランディングなどのスキルをお持ちの方も多くいらっしゃいますが、いざ実際の商品として形にする段階で迷ってしまうことが少なくありません。

また、プロダクトにするということは、物理的な制限、制約などがつきまといます。どんな緻密なデザインもプリントできないような細い線は消えてしまいますし、美しいグラデーションを使っても織りネームでは再現できません。

近年では特に、デジタルで作成したものを物理的なプロダクトに落とし込む難しさ、たとえば、デジタルで作ったデザインはピクセル単位で緻密に整った“完璧な世界”ですが、洋服の世界ではミリ単位の誤差が当たり前です。
シルクスクリーン印刷では、生地に皺が出ないようピンと張ってプリントするため、乾いた後や着用時には数ミリ縮んだり、位置がずれたりすることも珍しくありません。
そもそも、Tシャツそのものが1枚ごとに微妙にサイズや縫製位置が違うため、どれだけ正確に版を合わせても、完全に同じ位置にプリントされるとは限らないのです。

 

手軽な選択肢としてのTシャツ販売サイト

初期投資なしで始められるサービスとして、SUZURIやHOIMI、トリニティなどのTシャツ販売サイトがあります。
デザインを登録するだけで販売ができ、在庫も不要。売れたときに利益が分配される仕組みで、デザイナーの方にも人気です。

 

ブランドとしての「物足りなさ」と「打開策」

こうしたサービスは便利ですが、無地Tシャツの襟元にメーカータグが残るほか、発送元も販売サイトとなるため、本格的な「自分のブランド」を打ち出すにはやや物足りなさを感じる方も多いようです。

では、既製品感を消しつつオリジナル感を高め、コストを抑えつつもできる打開策とは何でしょう?

オリジナル性を高める方法

Tシャツに対する6つのカスタマイズ対応を示すイラスト。DTFプリント、ブランドタグの付け替え、洗濯ネームの作成、刺繍ワッペンの縫い付け、下げ札の取り付けをそれぞれイラストで表現し、カフェでPC作業中の男性が「全部任せられるのか〜」と驚いている。

オリジナル性を高める方法:オルターワークスでは、このような対応が可能です

オルターワークスでは、以下のような対応が可能です:

  • DTFプリントでオリジナルプリント
  • オリジナルブランドタグの生産
  • ロゴ入り洗濯ネームの作成と付け替え
  • ピスネーム、刺繍ワッペンの作成と縫い付け
  • オリジナル下げ札でブランド感を高める

これにより、既製品の面影を残さない「完全オリジナルTシャツ」として、あなたのブランドが形になります。

 

見積もり時にありがちなつまずき

とはいえ、見積もり依頼の段階で戸惑う方も少なくありません。
「どんな情報が必要なのか分からない」「希望がうまく伝えられず、見当違いの見積もりが届いてしまった」など、やり取りが何度も発生し、煩雑になるケースもあります。

 

この記事でわかること

この記事では、「新規ブランド立ち上げにTシャツから始めてみたい!」という方のために、

  • 見積もり時に必要な情報とは?
  • 業者にうまく希望を伝えるコツ
  • 主要な無地Tシャツメーカーまとめ
  • 目的や予算別のおすすめTシャツ選び

など、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

ここからは、実際にオリジナルTシャツを作るために「何を準備すればよいのか」を見ていきましょう。

 

オリジナルTシャツ作成の見積りに最低限必要なもの

ここでは、「無地Tシャツのボディを仕入れて、プリントやタグ加工を施してオリジナルTシャツを作る」という前提で、見積もりに必要な情報を各連載毎にご紹介していきます。

Tシャツ自体を一から生産依頼するような“セミプロ仕様”は除外し、一般的なTシャツを主軸としたアパレルブランドの立ち上げを想定した内容となっています。

以下の4点が、基本となる無地Tシャツの見積もり時に必ず必要になる基本情報です。

  1. 無地のTシャツボディを扱っているメーカー名
  2. そのメーカーの気に入ったTシャツの品番
  3. その品番で展開されているTシャツの色とサイズ
  4. 各色と各サイズでそれぞれ必要な枚数

この4つの情報が揃っていれば、スムーズな見積もり作成が可能になります。

見積り依頼例

メーカー:ユナイテッドアスレ
品番:5001−01

カラー サイズ 枚数
ホワイト S 5枚
ホワイト M 10枚
ホワイト L 8枚
ブラック S 5枚
ブラック M 10枚
ブラック L 8枚

このように、品番ごとにカラーやサイズ、枚数を一覧表にまとめておくことで、依頼する側にとっても内容を整理しやすく、見積もりを受け取る側にとっても確認がスムーズになります。結果として、正確で迅速な見積もり提出につながるでしょう。

 

なぜカラーやサイズまで必要なのか?

メーカーや品番によってはS〜XLサイズは同じ価格、XXLは少し高くなる、ホワイトは安いが色付きは高くなるなどの違いがあるためです。

ここまで書けば完璧な見積りが返ってきます。参考にしてくださいね。

無地Tシャツメーカーの比較一覧

ユナイテッドアスレ 5010-01 の首元タグが見える白無地Tシャツの写真。ブランドタグのデザインと質感がわかる。

ユナイテッドアスレ5010−01

「そもそもどのメーカーのTシャツを選べばいいの?」という方のために、代表的な無地ボディメーカーとその特徴を一覧でご紹介します。
各社のリンクも掲載しているので、詳細は公式ページでご確認ください。

カテゴリ メーカー名(ブランド名) 特徴
高品質ストリート系 United Athle(ユナイテッドアスレ) 丈夫で高品質な仕上がり。シルエットも豊富でアパレルブランドに人気。
高品質ストリート系 TRUSS(トラス 肌触りが柔らかく、ファッション性の高いデザインが魅力。
高品質ストリート系 CROSS & STITCH(クロスステッチ) 肉厚でしっかりした生地。ヴィンテージライクな雰囲気に◎。
イベント・大量注文系 Printstar(プリントスター) 豊富なカラーとサイズ展開。コスパに優れイベント用に最適。
イベント・大量注文系 glimmer(グリマー) 吸汗速乾やUVカットなど機能性素材が充実。スポーツやチームウェアに人気。
イベント・大量注文系 GILDAN(ギルダン) アメリカ発。タフな作りで海外ストリート系Tシャツに最適。
カジュアル・ラフ系 FRUIT OF THE LOOM(フルーツオブザルーム) 軽くてラフな着心地。アメカジや古着テイストにマッチ。
カジュアル・ラフ系 BEES BEAM(ビーズビーム) 高品質かつ低価格を両立。シンプルで着やすいスタイル。

このように、各メーカーによってサイズ感・カラー展開・生地感に違いがあります。
中には参考価格が掲載されているところもありますが、表示されている価格と実際の仕入れ価格は異なることがほとんどです。仕入れ先によっても価格はまちまちなので、複数の業者に見積もりを取ることをおすすめします。

本格的にブランドとして展開していく場合は、業者経由ではなくメーカーから直接仕入れる方法(口座開設)を検討してみても良いかもしれませんね。

 

用途や予算別に見るおすすめ無地Tシャツ

無地Tシャツには多くのメーカーがありますが、「どれを選べばよいか」は用途や予算によって異なります。
ここでは、よくある目的別におすすめのブランドをいくつかピックアップしてご紹介します。

まずは試したい!コスパ重視の入門Tシャツ

  • Printstar(プリントスター):安価で色・サイズ展開も豊富。イベントやテスト販売に最適。
  • glimmer(グリマー):吸汗速乾で運動系にも◎。コスパ重視のブランドにも。

ブランドの「顔」として使いたい高品質モデル

  • United Athle(ユナイテッドアスレ):シルエット・生地のバランスが良く、初期ブランドでも安心して使える定番。
  • TRUSS(トラス):柔らかい着心地とおしゃれな雰囲気で、こだわりあるラインにおすすめ。

アメカジ・古着系の雰囲気を出したいとき

  • FRUIT OF THE LOOM(フルーツオブザルーム):ラフさとアメリカンな風合いが◎。
  • CROSS & STITCH(クロスステッチ):肉厚な仕上がりでヴィンテージ感を出しやすい。

とにかく安く!テスト販売やノベルティ向け

  • BEES BEAM(ビーズビーム):価格を抑えたいときの選択肢として有力。
  • GILDAN(ギルダン):海外仕様でコストも安め。ストリート系や業務用にも対応。

このように、目的やイメージに合わせてボディを選ぶことで、より理想に近いオリジナルTシャツを作ることができます。

 

無地Tシャツのオルターワークス販売価格を一部抜粋

以下は弊社でよく出ている商品の販売価格です。参考にしてみてくださいね。
主にオンス(生地の厚み)によって各メーカーとも価格が変わっていきます。
※消費税と送料が別途かかります。
※2025年5月時点での価格です

無地Tシャツ参考価格

メーカー 品番 商品名 ホワイト価格(S〜XL) カラー価格(S〜XL)
GILDAN GL76000 5.3oz リングスパンTシャツ 340円 400円
GILDAN GL2000 6.0oz Tシャツ 485円 535円
United Athle 5001-01 5.6オンス ハイクオリティー Tシャツ 491円 526円
Printstar 00085-CVT 5.6オンス ヘビーウェイトTシャツ 420円 455円

※価格は税別表記になります。

次回は「DTFプリント」について

オリジナルTシャツ作成において、ボディ選びの次に大切なのが「プリント方法の選択」です。
次回は、低コストかつ柔軟に展開できる「DTFプリント」について、初心者にもわかりやすく解説していきます。

▶ 第2回:DTFプリントでコストを抑えたオリジナルTシャツを作ろう

オリジナル刺繍ワッペンを作るためのデザインガイド詳しくはこちら
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